以前紹介した『第三の脳』と同じ著者である資生堂ライフサイエンスセンターの主任研究員の方が書かれています。
最新の研究によって解明された皮膚の働きや機能について比較的簡単な言葉で分かりやすく説明されています。化粧品会社だけに最先端の研究だけでなく、その結果からいかにして日常生活に応用するかといったことが重要で、その為、自分たちの皮膚を使って実際に実験されているみたいです。そういうこともあって書かれている内容もイメージしやすいことが多く『なるほどー』と納得させられます。最近では傷口の処置の仕方も以前とは違う方法で行われていますが、これを読むと納得できるし、肌荒れ対策なども面白いです。
それにしても皮膚研究の最前線にいながらも、科学者の固定概念にとらわれない発想や考え方がこういった、研究結果から臨床につなげ、そしてさらなる解明につながるという大きな成果を生むんでしょうねぇ。すばらしい。
著者の傳田さんはマッサージや東洋医学にも興味があるようで、マッサージの皮膚に対する影響や、つぼや経絡と皮膚科学の接点などにも触れています。人の皮膚に直接触ることの多いセラピストにとって、臨床に応用できそうな画期的な情報やヒントがいっぱい詰まっている気がする一冊ですね。
数年後には学生が習う生理学の内容も変わっているでしょうねぇ。
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